2011年度第1回日本疫学会理事会 議事録
日時 2011年(平成23年)1月20日(木)18:00-20:15
場所 かでる2.7(北海道立道民活動センター) 8階 特別会議室
出席者 (順不同、敬称略):秋葉澄伯、辻一郎、中村好一、山縣然太朗、三浦宜彦、祖父江友孝、津金昌一郎、浜島信之、磯博康、中山健夫、黒沢洋一、田中恵太郎、森満、田中英夫、永田知里、北村明彦、西信雄、溝上哲也、深尾彰*、橋本修二
*委任出席者
欠席者:丸井英二、新田裕史、山口直人

理事会に先立ち、秋葉理事長より、委任状提出者を含めて理事の過半数の出席により理事会が成立していることが確認された。


<協議事項>
1.2010年度第3回日本疫学会理事会議事録が報告され、承認された。また、理事会ML上の議論の中で、通常の理事会同等の協議・承認事項と宣言された内容についても議事録に残すこととした。
2.前回(2010年度第3回)理事会以降にML上で議論された内容は、1)JE新編集委員候補、2)JE第21巻3号以降の有償配布価格、3)日本学術会議会員及び連携会員の候補者に関する情報提供についての3点であった。
1)JE新編集委員については、審議の結果、9名の新常任編集委員が認められた。(後述参照)
2)JEの有償配布については、現会則にある「会員の特典」に反するのではないかとの意見が寄せられたが、JE掲載論文はインターネット上で自由にPDF版を閲覧・ダウンロードできる環境にあることから、会員へは新刊号の発行時期にcontents alertを配信するという新たなサービスを提供することとした。JEの印刷版を希望する会員には一冊500円とし、会則の変更に関しては(変更の必要性の有無も含め)、2011年1月の理事会に諮り、理事会で会則の変更が必要と判断されれば、評議委員会・総会で、会則の変更を議論することとなった。
3)日本学術会議会員及び連携会員の候補者に関する情報提供ついては、理事長の判断で候補を選定の上、情報提供をすることとし、理事会への報告も必要ないということで了解された。
3.2010年度事業報告に先立ち、前回(2010年度第3回)の理事会の功労賞推薦者資料から児玉和紀先生のお名前が漏れていたとの報告があり、児玉先生の功労賞受賞が承認された。2010年度事業報告について、事務局より以下の報告があった。
1) 第20回日本疫学会学術総会(国際疫学会西太平洋地域学術会議同時開催)、第17回JEA疫学セミナー
2010年1月(三浦 宜彦 学会長)「Return to the basics of epidemiology」
学術総会 563 名参加、疫学セミナー 170名参加
2) 会誌Journal of Epidemiology Vol.20(1)~(6)、supplement 1(第20回日本疫学会学術総会講演集), 2, 3の刊行
3) ニュースレター 第35号、第36号(PDF版のみ)の刊行
4) 功労賞受賞者(五十音順、敬称略)
児玉 和紀(財団法人 放射線影響研究所)
三浦 宜彦(埼玉県立大学)
5) 日本疫学会奨励賞受賞者(五十音順、敬称略)
小嶋 雅代(名古屋市立大学大学院医学研究科 医学教育・社会医学講座)
近藤 尚己(山梨大学大学院医学工学総合研究部 社会医学講座)
6) 疫学の未来を語る若手の会
第15回疫学の未来を語る若手の集い(2010年1月8日 埼玉県立大学)
7) 国際交流委員会
第7回日韓疫学セミナー(2010年1月9日、埼玉県立大学)
IEA / JEA joint membership
8) 日本疫学会倫理審査委員会
審査件数 なし
9) 日本疫学会事務局移転
4.2010年度決算および監査結果報告について事務局より説明がなされ、表記法の修正を条件として承認された。【2010年度決算報告書】
<収入の部>
・日本学術振興会に昨年と同様に申請を行い、科学研究費補助金(1,600,000円)を受けることができた。
・2010年4月1日以降のJE投稿分より、掲載料を徴収しているが、2010年度の収入は20,000円であった。
<支出の部>
・【会誌発行費】20巻5号以降は入札価格で低く抑えることができたが、それでも予算額を1,890,000円余り超過した。
・【20周年記念事業】20周年記念講演会等の経費として300,000円を予備費より支出した。
・【クレジットカード決済用HP作成費】別刷り代等の振り込み方法の選択肢を広げるために、HP上にクレジットカード決済用ページを作成した。その費用が262,500円であった。
次いで監査結果が西 監事から報告され、承認された。
5.2011年度事業計画について事務局より説明があった。2011年度より新たに始まる疫学サマーセミナーの開催と広報委員会の常置化を含めて以下の事業が承認された。
1) 第21回日本疫学会学術総会、第18回JEA疫学セミナー、学術委員会・理事会企画シンポジウム、日本疫学会20周年記念講演会
2) 2011年度疫学サマーセミナー 論文集中講座-査読する側される側(仮称)(2011年8月、東京)
3) Journal of Epidemiology
①Vol.21(1)-(6)の刊行
②会員への印刷媒体無償配布の廃止
4) ニュースレター 第37号、第38号の刊行
5) 日本疫学会功労賞・名誉会員
6) 日本疫学会奨励賞
7) 疫学の未来を語る若手の会
8) 国際交流委員会
①Vol.21(1)-(6)の刊行
9) 広報委員会の常置化
10) 日本疫学会倫理問題検討委員会
11) 日本疫学会倫理審査委員会
12) 臨時委員会
①学術委員会
②疫学研究支援委員会
③統計利用促進委員会
④選挙規定検討委員会
⑤疫学専門家養成検討委員会
13) 評議員再任手続き
14) 学会会員名簿作成
15) 学会HPサーバー移設
6.2011年度予算について事務局より説明があった。疫学サマーセミナー代の合計額(50,000円)と学会事務局人件費の記載日数について訂正を条件とし、承認された。【2011年度予算案】
<収入の部>
・【会誌代】JE第21巻3号より会員へも有償配布となるので、約300部の希望があると仮定して、840,000円を計上した。
・【掲載料】JE第21巻以降は、ほとんどの掲載論文について掲載料を徴収することとなるので、920,000円余りを計上した。
・【科研費】JEの印刷部数が減り、且つ有償配布となることから、日本学術振興会科学研究費補助金が大幅に減額すると見込んで、800,000円とした。
・【疫学サマーセミナー】参加費を一人1,000円、約50名の参加と仮定して50,000円を計上した。
<支出の部>
・【会誌発行費】JE第21巻3号より印刷部数が約300部と仮定し、約2,770,000円を計上した。
・【JE編集委員会】実際に支払うべき経費をすべて学会負担とするため、前年度比1.8倍を計上した。
・【国際交流委員会】第19回国際疫学会参加旅費補助事業として、1,000,000円を計上した。
・【事務局】学会HPサーバー移設費と管理費として250,000円を計上した。
7.津金広報委員長より広報委員会細則案について説明があり、修正をした上で承認された。【広報委員会細則案】
8.磯 JE編集委員長より、下記の9名の新編集委員(順不同、敬称略)について報告があった。【JE編集委員会報告】
上原里程(自治医科大学公衆衛生学准教授)
加藤則子(国立保健医療科学院生涯保健部部長)
金子 聰(長崎大学熱帯医学研究所生態疫学分野教授)
鈴木貞夫(名古屋市立大学大学院医学研究科教授)
高橋秀人(筑波大学次世代医療研究開発・教育統合センター准教授)
藤野善久(産業医科大学公衆衛生学教室准教授)
藤原佳典(東京都健康長寿医療センター研究所研究副部長)
岩崎 基(国立がん研究センター予防・検診研究センター予防研究部室長)
伊藤秀美(愛知県がんセンター研究所疫学予防部がん情報研究室室長)
■2010年度のJEへの投稿状況、採用論文件数、査読依頼引き受け状況について説明があり、以下の4点について提案がなされ、審議の上了承された。
1) Reviewerの拡大
2) Supplementの海外からの依頼受付
海外からの依頼も受け付け、掲載料については通常の投稿論文に準じるものとする。
上記を踏まえ、supplement policyの最終版を報告することとした。
3) 査読者の査読結果のスコア化
査読を依頼する際に、査読者の評価をすることを明示することを条件として了承された。2010年度に4回の査読依頼をすべて引き受けたBest Reviewer(4名)については、2012年度の会務総会で表彰することとなった。
4) Joint review paperの掲載
掲載費用は編集委員会が負担することとする。
■会員へのJE有償配布価格について意見が交わされ、1)郵送料を含めて1部700円で配布すること、2)原則として年単位の購入希望しか受け付けないこと、3)特定の号のみの購入については非会員への配布価格(2,100円)で提供することが承認された。
9.事務局より評議員の任期更新手続きについて説明があり、1)活動報告書は再任を希望するすべての評議員に提出してもらうが、内容の評価はしないこと、2)会費の納入状況を確認すること、3)2011年10月に開催される理事会で再任者の推薦、2012年1月の評議員会および会務総会で承認することを確認した。
10.東京ブロック選出の丸井理事が2011年度会務総会をもって定年退任となるため、理事会申し合わせ事項および理事の選挙規定に関する細則第4条6項に基づき、後任の理事として、山口直人教授(東京女子医科大学)が推薦され、承認された。山口理事の任期は2011年会務総会~2013年会務総会までとなる。
理事長より、理事長代行の後任として深尾彰理事を指名したいとの提案があり、了承された。
11.西 監事より、2011年度の疫学サマーセミナー開催について、2011年8月に国立健康・栄養研究所で「論文集中講座 -査読する側される側」というテーマで予定しているとの説明があった。
12.J-MICC研究モニタリング委員の推薦について、田中英夫理事より説明があり、下記の7名が推薦された(50音順、敬称略)
井上 真奈美* (国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 室長)
岡村 智教* (慶応義塾大学衛生学公衆衛生学 教授)
岡山 明 ((財)結核予防会第一健康相談所総合検診センター 所長)
尾島 俊之   (浜松医科大学健康社会医学 教授)
黒沢 洋一 (鳥取大学医学部社会医学講座健康政策医学 教授)
中山 健夫 (京都大学大学院医学研究科健康情報学 教授)
山縣 然太朗 (山梨大学大学院社会医学 教授)
*今回、新規に委員として推薦 任期:2011年4月~2013年3月

<報告事項>
1.庶務報告
1)1会員数(2011年1月17日現在)
名誉会員 25名、評議員 196名、普通会員 1,310名
合計 1,531 名 ※ 2010年度 新規入会者 143名、退会者 129名
2) 年会費納入状況(2011年1月17日現在)
2010年度会費納入義務あり会員 1,506名中、納入者数 1,270名(未納入者数: 236名 )
3) 疫学会通信(2011年1月17日現在)
登録者数: 1,277名(83.4%)  2010年発行回数: 27回
4) IEAへのJoint Member登録状況(2011年度1月18日現在)
2011年度新規登録者13名
5) 国際疫学会参加旅費補助申請者数(申請締め切り2011年3月18日)
2名(2011年1月18日現在)
申請条件に、他の助成金との重複制限や年齢制限は設けないこと、申請者が少なくても一人あたりの補助費は10万円とすることを確認した。
6) 2011年度会務総会をもって以下の評議員が定年(満63歳)退任となる。(五十音順、敬称略)
会員番号 役員名 氏名 生年 所属機関名 職名 評議員就任日
692 評議員 岡本  幹三 1947 鳥取大学医学部
健康政策医学分野
講師 1995/1/25
198 評議員 岸  玲子 1947 北海道大学大学院医学研究科
予防医学講座公衆衛生学分野
教授 1995/1/25
221 評議員 児玉  和紀 1947 (財)放射線影響研究所 主席研究員 1991/1/24
223 評議員 齋藤  友博 1947 社会保険船橋中央病院 非常勤医師 1996/1/25
262 評議員 田島  和雄 1947 愛知県がんセンター研究所 所長 1991/1/24
256 評議員 田代  眞一 1947 昭和薬科大学病態科学教室 教授 1992/1/30
366 理事 丸井  英二 1948 順天堂大学医学部 
公衆衛生学教室
教授 1995/1/25
105 評議員 矢野  栄二 1947 帝京大学医学部 
衛生学公衆衛生学
教授 1991/1/24

7) 下記のアンケート依頼があり、庶務担当理事と相談した上で回答を提出した。
*日本医学会 医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン(案)への意見
*診療ガイドラインおよびMindsに関するアンケート
2.各委員会報告
1) 広報委員会・ニュースレター編集委員会:津金委員長より、ニュースレター36号が2010年10月に発行されたことが報告された。次号は黒沢編集委員長が担当する。
2) 倫理問題検討委員会:山縣委員長より、疫学研究に関する倫理指針によると、「数年にわたる計画については、倫理審査委員会への報告方法を研究計画書に記載すること」が定められているが、現在の日本疫学会倫理審査委員会設置要項には、報告に関する項目がないことが報告され、改訂案を次回以降の理事会で提出することとなった。
3) 学術委員会:2012年度学術総会の理事会企画は検討中である。
4) 疫学研究支援委員会:中村委員長より、疫学研究支援事業によって行われた研究が論文となって公表されたことが報告された。
5) 統計利用促進委員会:祖父江委員長より平成23年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業)の公募申請を提出したことが報告された。尚、研究計画が採用された場合には、日本疫学会会員に対し、基幹統計調査・一般統計調査の二次利用制度に関するアンケート調査が実施されることが説明された。
祖父江委員長より、統計利用促進委員会の委員として下記の6名を推薦したいとの提案があり、了承された(50音順、敬称略)
岡山 明(財団法人結核予防会第一健康相談所所長)
辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野教授)
中村好一(自治医科大学公衆衛生学教授)
橋本修二(藤田保健衛生大学医学部衛生学講座教授)
山縣然太郎(山梨大学大学院社会医学講座教授)
安村誠司(福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座教授)
また、今後の公的統計利用の促進について、統計情報部保健統計室の武田室長(他4名)と打ち合わせを行ったことが報告された。
6) 全国公衆衛生関連学協会連絡協議会:理事長より2011年3月26日に総会が開催されること、HPの作成が予定されていることの報告があった。
7) 選挙規定検討委員会:丸井担当理事より中間報告書が提出され、引き続き委員会で検討することとなった。
2. 第21回日本疫学会学術総会準備状況について森学会長より説明があった。
3. 第22回日本疫学会学術総会準備状況:学術総会ポスターが作成され、第21回学術総会会場内でも掲示されることが報告された。
4. その他
*日本疫学会20周年記念事業について:理事長より、20周年記念講演会の内容を座長および演者の先生方に執筆して頂き、JEに掲載してはいかがかとの提案があり、了承された。
*第21回国際疫学会総会(2017年)招致活動:中村理事より、2017年開催の国際疫学会総会候補地として正式に立候補したとの報告があり、日本疫学会も公式に招致活動を支援することをあらためて確認した。理事長名で招致活動支援を表明する書類を作成することが了承された。具体的な投票方法については未定であるが、電子投票という可能性もあるので、できるだけ多くの日本疫学会会員にIEA会員となって頂きたいとの協力要請があった。
*JMRC制度委員会報告:2010年10月18日にGMRC恒久認定試験が実施され、日本疫学会からは6名の会員が受験し、全員合格したことが報告された。
*事務局長より、学協会の公益認定法人への移行に関するシンポジウム(2010年11月25日開催)への参加報告と、現在の他学会の動向について説明があった。
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