- 2016年度第1回一般社団法人日本疫学会理事会 議事録
日時 |
2016年(平成28年)1月21日(木)16:40-18:40 |
場所 |
米子コンベンションセンター 5階 第4会議室
〒683-0043 鳥取県米子市末広町294
TEL 0859-35-8111
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出席者 |
(順不同、敬称略)理事: 磯博康、井上真奈美、小笹晃太郎、祖父江友孝、辻一郎、津金昌一郎、中村好一、三浦克之、安村誠司、若井建志、嶽崎俊郎、小橋元、
曽根博仁、玉腰暁子、松尾恵太郎、中山健夫、安田誠史
監事: 横山徹爾、西信雄
委任状出席者: 岡村智教、尾島俊之、川上憲人
前理事: 黒沢洋一、郡山千早、田中恵太郎、山縣然太朗、新田裕史
前監事: 溝上哲也
学会事務局:今野弘規、西野雅子
JE編集委員会事務局: 橋本勝美
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理事会に先立ち、磯理事長より、代理出席者・委任状提出者を含めて理事・監事全員の出席により理事会が成立していることが確認された。
<協議事項>
1.2015年度第2回日本疫学会理事会議事録(案)について報告があり、承認された。
2.2015年度事業報告(案)について今野事務局長より報告があり、承認された。
3.2015年度決算報告書(収支計算書・貸借対照表・正味財産増減計算書・財産目録)について今野事務局長より報告があった。
事業活動収入は決算額で合計25,821,106円となり、予算額を4,235,545円上回った。その主な理由は会員数増加による会費収入の増加や会誌J Epidemiolへの投稿数増加による会誌発行事業収入の増加、さらには科研費補助金460万円の助成があったことによる。
事業活動支出は決算額で合計23,794,488円となり、予算額より1,066,512円低く抑えることが出来た。以上より、事業活動収支差額は2,026,618円の黒字で、次期繰越収支差額は31,319,355円(正味財産期末残高に相当)であった。また、負債及び正味財産合計は、31,479,315円であった。
監査報告について溝上前監事より報告があり、承認された。
4.2016年度事業計画(案)について今野事務局長より報告があり、承認された。
5.2016年度予算(案)について今野事務局長より報告があり、承認された。
事業活動収入計は28,825,000円として計上した(前年度22,285,561円)。前年度より特に増加した収入としては、(”前年度→今年度”の順に)会費収入(1,430万円→1,647万円)、科研費(189万円→610万円[2015年度残額230万円+2016年度入金予定380万円])が挙げられる。
事業活動支出計事業費は28,825,000円が見込まれ、活動収支差額は0円となった。前年度より特に増加した支出としては、先ずJE編集委員会の事業費支出費(1,158万円→1,588万円)が挙げられる。その内訳として、科研費による国際情報発信強化費(70万円→350万円)およびXMLデータベース作成(0万円→60万円)、投稿数増加による編集室の負担増加軽減のための補助職員人件費(200万円→250万円)、英文校正費(300万円→340万円)等がある。その他、学会事務局専任職員の社会保険(0万円→48万円)、法人化による事務負担増加による補助職員人件費(30万円→50万円)・税理士の会計監査費(22万円→39万円)・都民税(0万円→7万円)等が挙げられる。一方、前年度より抑えられた主な支出としては、会誌発行費(419万円→360万円)、委員会開催費(15万円→6万円)が挙げられる。
以上の説明で行ったように、資料の方も前年度と比較出来るような形で提示してほしいとの意見があった。次年度の報告からその方針で行う。
6.各委員のメンバーおよび任期期間(案)について磯理事長より説明があり、承認された。
編集委員については、他委員の兼任とは独立して選任可能であること、任期期間は3年であることが確認された。
また、倫理審査委員会委員の任期を他の委員会に合わせて、現在の3年から2年に変更することが提案され、承認された。
7.禁煙推進学術ネットワーク連絡委員会(仮称)設立についての提案書(案)について磯理事長より説明があり、承認された。
8.若手の会からの報告およびWeb会議システム(WebEX)の紹介が磯理事長より行われた。
9.JE編集委員会の井上委員長より、JEに関する報告と協議事項に関する説明があった。
投稿数が前年より100件以上増加した。2013年から2015年にかけて投稿数は倍増しており、2015年は383件であった。今年の掲載論文は既に決定済みである。海外からは中国からの投稿が最多で、引用回数も多い。欧米からの投稿も目立つようになった。
JEの国際レベルを保つためには、現行のJ-STAGEでは種々の問題があり、出版社への移行が必要であるとの説明があり、承認された。
出版社について、Elsevier、Wiley、BMCについて説明があった。BMCは疫学会から版権を移さなければならず、また、APC(掲載料)の主導権がBMC側にあることから、ElsevierとWileyについて比較検討した。その結果、出版費用がより低額であること、APCの徴収・主導権をJE編集委員会に残せること等、Elsevierの方が利点が多いことから、Elsevierを選択したい意向が示された。
出版社に移行した場合、掲載料の引き上げが必要となり、学会からの補助が200万円台で済むように、会員7万円、非会員12万円が提案され、承認された。Letterは現行通り1万円で承認された。海外からの投稿は現行通り1st authorとcorresponding authorのいずれかが会員であれば会員価格適用で承認された(なお、その後の理事メールによる審議の結果、所属機関が海外の会員については、1st authorが会員であれば会員料金を適用すること、所属機関が海外の1st authorが会員料金の適用を希望する場合は投稿時に会員になる必要があること、海外と国内の著者が含まれている場合は国内同様1st authorとcorresponding authorの両者が会員でないと会員料金を適用しないことが2016年3月5日に承認された)。
掲載料値上げの開始時期はIFが出る前の6月にすることで承認された。
低所得国からの投稿の掲載料免除についてはこれまで同様継続することで承認された。
国内であっても学内の経費で細々と行っている研究については、学会で補助する制度があっても良いのではないかとの意見が出た。国内からの投稿で実際にそのような研究が存在するか確認したうえで個別の対応が必要。
Creative Commons(CC;著作権が著者にあること)について、現行のCC BYからCC ND NC(ND;改変禁止、NC;非営利)への変更の提案があり、承認された。
Open Accessにしては掲載料が安いことが投稿数増加につながっていると思われる。
ORCID(Open Researcher & Contributor ID)登録の利点(セルフ査読等の詐称が起こりにくい、Authorshipの管理がしやすい等)について説明があり、1st authorはORCID登録を義務化し、あとはオプションにすることで承認された。
抄録の和訳について、Elsevierに移行した後は、supplementary fileとして抄録の和訳を載せることで承認された。現在、国内からの投稿で採用された論文8割位から抄録の和訳を提出してもらっている。
<報告事項>
1.各委員会等からの報告
1) JE編集委員会
前述(協議事項 9.参照)
2) 疫学専門家養成検討委員会
田中前委員長より、日本疫学会認定疫学専門家制度の概要(案)について報告があった。
また、同制度に関するアンケートの集計結果の報告があり、一般会員は回答率34%で、「メリットがある」が57%、「賛成」が63%で肯定的な回答が多かったが、「試験を実施したほうがよい」、「二階建ての認定案」については意見が分かれた。「認定を受けたい」は46%と約半数を占めた。また、疫学専門家の呼称および認定要件に関するアンケートの個別の記載内容が示された。結果のまとめはシンポジウムで公表する。
参考として、Annals of EpidemiologyのAdmission Guidelinesが示され、Membershipが疫学専門家に該当し、基本が学位であること、Fellowsが疫学指導者に該当すると考えられる旨の説明があった。
3)広報委員会
中山委員長より、前理事会の資料(2013~2015年度計画概要と進捗状況、一般向け疫学用語集、疫学紹介スライドコンテストの進捗報告およびホームページの新設コーナーについて報告があった。
新設された「一般向けコーナー:疫学って何?」には、一般向け疫学紹介スライドショーコンテスト優秀作品、疫学用語の基礎知識が掲載された。また、学会誌・書籍コーナーの「疫学辞典第5版」がpdfで無料ダウンロード出来るようになった。
4) 国際疫学会準備委員会
中村委員長より、資料として第21回国際疫学会総会のポスター、募金趣意書、共催セミナー・企業展示会・広告掲載募集要項が配布され、協力依頼があった。
5) 前期の委員会報告
今野事務局長より、資料についての確認依頼があった。
2.第26回日本疫学会学術総会準備状況について
黒沢学会長より、概要およびプログラム・関連行事について報告があった。
事前登録は445名(一般:339名、学生:97名、名誉会員:9名)であった。
また、演題登録は307題(口演希望165題、示説希望142題)で、口演希望の演題から9演題を優秀演題候補とし、次の上位36演題を一般口演とした。
疫学セミナー「地理情報システム(GIS)を使った疫学手法を学ぶ~データハンドリングから分析・応用まで~」には64名が参加した。
市民公開講座「子供の健康と環境」(エコチル調査鳥取ユニットセンター共催)では、「子どもたちを取り巻く環境と健康とのかかわり」(新田裕史先生、国立研究開発法人国立環境研究所環境健康研究センターフェローエコチル調査コアセンター長代行)、「発達障害のある子どもを豊かに育てる」(小枝達也、国立研究開発法人国立成育医療研究センターこころの診療部長)の2つの講演が予定されている。
3.第27回日本疫学会学術総会準備状況について
山縣次期学会長より、前理事会で報告があった、テーマ、会期、会場に加えて、特別講演として「医療番号制度と医療ICTがもたらす可能性(仮題)」(森田朗先生, 国立社会保障・人口問題研究所所長)および「An overview of the Danish national birth cohort study(仮題)」(Prof. Mads Melbye, Executive Vice President, Statens Serum Institut, Denmark) を、シンポジウムとして「研究と政策基盤としてのコホート研究」を計画していることが報告された。また、学術総会のポスターが紹介された。
4.第28回日本疫学会学術総会準備状況について
磯理事長より、第28回日本疫学会学術総会学会長として安村誠司先生を推薦したいとの提案があり、承認された。
5.学会事務局からの報告
今野事務局長より、学会事務局活動についての資料確認依頼及び庶務報告が行われた。磯理事長より、後援名義使用依頼について報告があった。
以上