2.以下の各種規程の見直しについて、法人化定着委員会の委員長の嶽崎委員長より説明があった。職員退職手当規程は承認された。フレックスタイム制勤務規程について、適用従業員は現状JE編集室職員のみであるが、事務局職員にも適用できる文言に変える方針で承認された。年齢制限55歳以上を省いた職員給与規程改訂案が承認された。
4. 2017年度事業報告書(案)について、磯理事長より報告があり、承認された。
2017年度収支計算書(予定)(平成28年12月1日から平成29年9月30日まで。10,11月分の予測入り)に基づいて、今野事務局長より収支報告が行われ、承認された。
事業活動収入では、学術総会の決算額が予算額を約349万円上回った(そのうち150万円は学会自身からの補助費)。会費収入、会誌発行事業収入、疫学サマーセミナー代はほぼ予算通り。科研費の予算額と決算額との差異250万円の内訳は前年度からの繰越金150万円、後期入金予定分100万円で、予算通り。予算額から決算額と収入予定を差し引いた額は約-200万円であり、予算額のみに計上され、決算額には計上されない科研費前年度繰越金150万円を合わせた額約-350万円は、学術総会の予算と決算の差にほぼ相当する。
事業活動支出では、会誌発行費のエルゼビア出版サービス費を交渉により約100万円支出を減らした。その分をEVISEからScholarOneへの移行費用、編集室の残業代、CrossCheckの費用に充てた。国際情報発信強化費は海外編集委員5人の招へいのため次年度に105万円繰越し。総会補助費150万円は、内部での資金移動のため予算額にのみ計上され、決算額には計上されない。学術総会の支出は予算額を決算額が約140万円上回った。国際化推進費は、トラベルグラント不参加者1名分10万円と日韓セミナーの支出が抑えられたことにより、予算額を決算額が約13万円下回った。委員会開催費は、予算額を決算額が約15万円上回ったが、JE編集委員会の科目にある交通費は、第2回編集委員会の開催が無かったため、予算額を決算額が約20万円下回った。学会事務局支出は、人件費を初めとして、全体で予算額を決算額が約20万円下回った。管理費支出は全体として予算額を決算額が約15万円上回る見込み。そのうち、通信費連絡費の決算額が約46万円の見込みで、予算額30万円を上回る(通信連絡費は前年も50万円近く要している)。一方、雑役務費は、インターネットバンキングの解約や広告等の制作が無かったことから、予算額を決算額が約10万円下回った。選挙費は、全体として予算額を決算額が約11万円下回った。これは、代議員選挙で無投票ブロックがあったことと、監事が無投票であったことによるオンライン投票の費用減少と、交通費の減少による。
全体としては、収支差額予定は約130万円で、学術総会の収入209万円を除くと年度末の収支差額は-79万円の見込みで、科研費の前年度からの繰越金150万円、次年度への繰越金220万円であることから、実質-149万円である。元々の予算が、約120万円の赤字であることから(選挙費用約30万円と収支計算書に収入として計上されない国際化基金90万円)、元々の予算に対して29万円支出が上回ったことになる。以上より、現状ほぼ予定通りの運営が出来ている。なお、第27回学術総会の収支差額209万円は、国際化基金に組み入れることになった。
5. 2018年度事業計画書(案)について、磯理事長から説明があり、承認された。
2018年度予算書(案)について今野事務局長より報告があり、承認された。
事業活動収入計は45,168,000円として計上した(前年度の予算額は40,065,000円)。主な内訳として、普通会員会費(1,800人分)1,620万円、代議員会費(175人分)210万円、JE掲載料(87論文)719万円(掲載料値上げの効果)、Supplement掲載料150万円(エルゼビアだった前年度の決算額188万円より低額で済む)、学術総会1080万円、補助金等収入として科研費570万円(うち繰越金220万円)、国際化基金からの組み入れ65万円(予算には入るが収支計算書には入らない分)を計上した。
事業活動支出計は41,304,000円として計上した(前年度の予算額は41,260,000円)。主な内訳として、事業費支出は、29,564,000円が見込まれた。会誌発行費は493万円で、前年度のエルゼビア出版サービス費(決算額508万円)とJ-STAGE登録用データ製作費(決算額約26万円)が不要になる一方、会誌印刷(製本)費として、前年度決算額(予定)約109万円を上回る343万円が見込まれる(PubMed Central(PMC),J-STAGE用XML製作費を含む)ほか、Supplement発行費120万円を計上した。JE編集委員会の予算は1,223万円で、その主な内訳は、事務人件費610万円(100万円は科研費より支出。前年度決算額約700万円を下回るのは専任編集職員退職のため)、英文校正費309万円(うち70万円は科研費より支出)、国際情報発信強化費210万円である。総会準備金として150万円、学術総会の予算として1080万円を計上した。賛助会費として、社会医学系専門医制度支援金20万円が不要となり、15万円を計上した。委員会活動の予算は144万円で、その中の国際化推進費65万円は国際化基金による。学会事務局支出は814万円で、そのうち人件費の予算は588万円(専任職員336万円+交通費25万円、補助職員100万円、退職金積立金127万円)である。
1. 今野事務局長より、学会事務局活動、代議員の繰り上げ補充、庶務報告が行われた。
1) 学会事務局活動
4月~9月の入会者は162人、退会者は41人、再入会者は3人であった。
倫理審査委員会(東日本)で松田智大先生(国立がん研究センター)が齋藤俊行先生(放射線医学総合研究所)に、禁煙推進学術ネットワーク連絡委員会で笹月静先生(国立がん研究センター)が島津太一先生(国立がん研究センター)に変更になった。
編集委員会で外国人編集委員2名(Gallus, Silvano (イタリア)、Shin, Aesun(韓国))が就任し、笹月静先生(国立がん研究センター)が退任した。
8月の国際疫学会(大宮)でブースを出展した。
医学会連合監事に秋葉先生を推薦し、就任した。
社会医学系専門医協会社員総会に磯理事長が出席した。
福島県「県民健康調査」検討委員会「甲状腺検査評価部会」部会員に祖父江先生を推薦し、就任した。
2) 代議員の野村恭子先生(東京ブロック)の異動(北海道・東北ブロック)、川崎良先生(北海道・東北ブロック)の異動(近畿ブロック)に伴い、それぞれ桑原恵介先生、鵜川重和先生が繰り上げ就任した。
3) 庶務報告
・ 会員数(2017年10月1日現在 名誉会員:27名、代議員:175名、普通会員:1,985名 合計:2,187名 普通会員のうち2017年入会学生:98名、海外会員:45名)
・ 年会費納入状況(2017年10月29日現在 2017年度会費の納入義務のある会員:2,062名 2017年度までの会費納入完了者:1,785名、86%、2年以上の滞納者:42名)
2.各委員会等からの報告
1) 選挙管理委員会
堤委員長より、2017年度の代議員、選出理事・監事、理事長の選挙日程と結果について報告があった。3ブロックの代議員選挙および監事選挙は無投票当選、理事長選は信任投票であった。次期日本疫学会理事長候補は、祖父江友孝(大阪大学、敬称略)に決定した。
2) 奨励賞選考委員会
平成29年度奨励賞候補者および審査経過(スコア、業績や将来性に関する審査員コメント)について報告があった。候補者が9人と史上最高の人数であった。審査の結果、相田潤(東北大学)、大林賢史(奈良県立医大)、島津太一(国立がん研究センター)、横道洋司(山梨大学)(五十音順、敬称略)の4人の奨励賞受賞が承認された。
3) 広報委員会
中山委員長より、ニュースレターNo.50を10月に発刊したこと、2017年度疫学一般向けスライドコンテストに4作品応募があり審査中であること、ホームページの日本の大規模コホート研究に日本ナースヘルス研究を新規掲載したこと、NDBを活用したコホート研究の掲載を今回は見送ったが、このような既存データベースの2次的活用によるコホート研究の扱いについては今後も継続して検討していくこと、4~9月のホームページアクセス解析の結果、「疫学用語の基礎知識」に11万件を超えるアクセスがあり、「有病率と罹患率」が約23,000件と全ページタイトル中最大であったことが報告された。
4) 禁煙推進学術ネットワーク連絡委員会
片野田委員長から、禁煙推進学術ネットワークの定例会総会(6月、10月)について報告があった。加熱式たばこについて、各学会でエビデンス創出やスタンスを検討することになった。8月の国際疫学会においてタバコ関連企業の関係者が座長、演者のセッションが開かれたことを報告したが、演題投稿規定に無く問題とならなかった。加盟学会アンケートの日本疫学会の回答案が紹介された。タバコ関連企業からの資金による研究の学会誌への投稿非受理について、公衆衛生学会、癌学会、疫学会に続いて、呼吸器学会、循環器学会、高血圧学会も同様の決定をした。たばこ産業の定義やQAの周知が重要で、JEにEditorialも掲載した。また、喫煙の健康影響に関する疫学研究データベースを1月から公開しているが、マンパワー的な限界からその後更新出来ていないこと、「たばこ白書」について、国立がん研究センターでリーフレットを作成し公表したこと、スライド集を研究班共同で作成し、e-ヘルスネットで公開予定であることが報告された。
5) JE編集委員会
松尾委員長の代理で片野田委員より、9月30日現在のJE投稿・査読状況および刊行状況に関する報告があった。2016年のEVISE以降の影響で投稿が減少したが、ScholarOneに戻してからは2015年の水準に戻った。
科研費の中間報告を行った。国際化は順調に進んでいる。エルゼビアを撤退し、J-STAGEへの移行が済んだ。科研費が2年後に無くなるので、投稿料、購読料の変更あるいは財源の確保が必要となる。5年間で2,000万円規模の科研費でJEの機能を向上出来た。
掲載本数を増やすと収入は増えるがIFが減るので慎重を要する。
Supplementを現在編集作業中。
Paper of the Year 2017の選出が行われた。
Best Reviewer 2017を選考予定である。
J-Stageセミナーに出席した。日本疫学会総会での編集委員会企画を予定している。
6) 学術委員会
岡村委員長より、8月のサマーセミナーは非常に盛会で、アンケート結果も好評であったこと(受講生44名、新規疫学会入会者10名)
、日本疫学会総会での学術委員会企画シンポジウム「疫学研究の行政政策、診療ガイドラインへの応用:具体例から学ぶ」を予定していることが報告された。
7) 法人化定着委員会
嶽崎委員長より、各種規定の見直しについて報告が行われた(協議事項2参照)。
8) 選挙規定検討委員会
川上委員長より、活動報告が行われた。検討課題について、次回以降議論していく。
9) 疫学専門家養成検討委員会
尾島委員長より、認定の要件を直近の委員会で検討し、疫学専門家は筆記試験を行う方向で検討中であること(全てマークシート)、上級疫学専門家に本学会での役職の貢献等はカウントしないこと、ポイントの証拠種類は、基本的に厳格に求めること、教科書「はじめて学ぶやさしい疫学」を改訂し、試験に使ってもらうこと、会員を対象としたパブコメで意見を聞くこと、2月の社員総会の時に報告出来た方が良いこと、等の報告があった。
磯理事長より、今の段階で一度パブコメを行っても良いのではないかとの意見があった。
また、社会医学系専門医制度の基本プログラム「医学・統計学」7コマをe-learningとして提供することを検討しているとの報告があった。
日本臨床疫学会の専門家制度は既に始まっているが、本学会の疫学専門家とは対象層が少し異なると考えられ、本学会独自の路線で良いと思う。
保健師教育の中に疫学の技術・知識が明記されており、そこでも「はじめて学ぶやさしい疫学」の利用価値が出てくる。
10) 国際交流委員会
井上委員長より、活動内容・状況等について報告があった。第1回日韓台合同セミナーは大盛況で、今後も出来るだけ国際疫学会の開催と合わせて行う方向である。
日韓ジョイントセミナーは2016年12月から4年おきに韓国で、日本は2015年に実施し、次回は、2019年の予定のため、福島での開催は無くなり、2019年の津金先生の学会の時に開催予定である。
トラベルグラント選考で全て国籍が違う6名が選出された。
IEA Western Pacific Regional Councilorについて先ずは情報を集め共有していき、2020年のJEAに合わせて開催したい。今までは会員数もわからなかったが、日本は約250人から199人に減っており、今後会員数を増やしていく。
教育活動として、オーストラリアまたはWPRO教育コース等とのジョイントを検討中。
WCE2020(メルボルン)のトラベルグラントは、満額にしないと参加出来ない人もいるので、満額を出す方向で、また、国内のイベントで優秀演題賞を取った人を条件にするなどを検討中。
IEAの編集委員長がイギリス人からオーストラリア人に変わった。編集委員はイギリス人、オーストラリア人等で占められており、会員数が多いインド人や日本人はほとんど編集委員に入っていないので、IEA総会時のIJE編集委員会で、日本疫学会としても強く要望した。
11) 国際疫学会準備委員会
中村委員長の代理の尾島委員より、8月に行われた国際疫学会総会は885演題で、日本人が約500人、その他、中国、韓国、イギリスなどからの参加があったこと、収支差はほぼ無かったことが報告された。
12) 医療情報・統計利用促進委員会
祖父江委員長より、疫学データ・アーカイブは特に進展が無いこと、ペンディング状態であり、人口動態統計は死亡のみで死因を含む個人単位データは公開出来ないこと、会員アンケートによる公的統計・保健医療DB使用状況調査を行ったこと、日本薬剤疫学会・日本臨床疫学会の漆原先生を含む委員でWeb会議を行っていることが報告された。
13) 倫理問題検討委員会
三浦委員長より、これまでの活動報告内容が提示された。対応必要なことは無く、現状での活動は特に無い。
14) 倫理審査委員会(東日本、西日本)
東日本の小橋委員長より、委員の変更(松田智大先生から齋藤俊行先生に)、3月に審査受付が1件あり、6月に差し戻し再審査後承認となったことが報告された。西日本の小笹委員長より、審査受付は0件であったことが報告された。また、東日本と西日本の2つの委員会がはたして必要かとの意見があり、磯理事長からも、一つで良いと思うとの意見があった。
15) 利益相反(COI)委員会
安村委員長より、3月に役員、各種委員等全120人分の2016年までのCOI自己申告書の提出依頼をし、COI委員全員で確認し、問題が無いと判断したとの報告があった。
16) 学会連携推進委員会
曽根委員長の代理の小橋委員より、日本抗加齢学会および日本臨床栄養学会との共催シンポジウム開催のこと、9月に行ったWebEXミーティングの内容について報告があった。学会長は毎年変わるので、継続が難しい。
磯理事長から、幹部・役員が複数の学会にまたがっている学会、例えば、産業衛生学会(川上先生)、日本動脈硬化学会(岡村先生)、日本高血圧学会(三浦先生)や看護系の学会等に対して組織的に連携を進めるのが良いとの意見があった。
共催の定義が要る。共催依頼で事務手続きが絶対に必要。
2019年5月の日本産業衛生学会から日本疫学会と共催を行いたいので、ぜひ応援いただきたいとの意見があった。
17) 将来構想検討委員会
玉腰委員長より、疫学リテラシー、ダイバーシティについて、福島のシンポジウムの枠が空いているなら企画したいとの報告があった。磯理事長より、時代に合わせた新しいマニュフェストをまとめていってほしいとの意見があった。
18) 疫学研究支援委員会
安田委員長より、2016年と2017年の計2件の申請があったこと、疫学研究支援事業申請のメールのひな形を作成したことが報告された。
磯理事長より、年に1件程度だが、まだまだ要望はあるので続けて行きたいとの意見があった。
本事業を知る経緯として、ホームページを見て事務局に問い合わせがあるので、その際、先ずは疫学会員になってもらう。
19) 名誉会員推薦・功労賞受賞者推薦
2017年の名誉会員に岸玲子先生、児玉和紀先生、田島和雄先生、丸井英二先生が推薦されたこと、功労賞に山縣然太朗先生が推薦されたことが報告され、承認された。
3. 第27回日本疫学会学術総会の報告
山縣学会長より、収支決算書に基づき収支報告があった。収支の差額2,089,649円を 国際化基金に入れることが承認された。
4. 第28回日本疫学会学術総会準備状況について
安村次期学会長より、「災害と疫学」という今まで取り上げられていないテーマであること、259演題の応募があり、口演希望129演題のうち60演題を口演に採択する予定であること、タイムスケジュールがほぼ決まったこと、ヘルス・リテラシーについてのJEA疫学セミナーと特別講演、学会長講演、2つのシンポジウム、JE編集委員会企画、学術委員会企画シンポジウム等の紹介があった。
5. 第29回日本疫学会学術総会準備状況について
津金次々期学会長より、テーマを「疫学の本質:限界への挑戦(仮題)」とし、新しい方法論についても議論する機会にしたい意向であること、会期(1月30日~2月1日)、会場等について報告があった。
以上