Journal of Epidemiology vol.15-(5) |
1)Perceived Health as Related to Income, Socio-economic Status, Lifestyle, and Social Support Factors in a Middle-aged Japanese Naren Wang, et al. (P155~162) 2)Prevalence of and Factors Associated with Reproductive Tract Infections among Pregnant Women in Ten Communes in Nghe An Province, Vietnam Aya Goto, et al. (P163~172) 3)Smoking and Risk of All-cause Mortality: The Jichi Medical School(JMS) Cohort Study Fumihiro Uno, et al. (P173~179) 4)High Serum Carotenoids Are Inversely Associated with Serum Gamma-glutamyltransferase in Alcohol Drinkers within Normal Liver Function Minoru Sugiura, et al. (P180~186) 5)マルチスライスCTによる冠動脈石灰化スコアと冠動脈造影所見との関連について Evaluation of Coronary Artery Calcification by Multi-detector Row Computed Tomography for the Detection of Coronary Artery Stenosis in Japanese Patients 北村明彦(大阪府立健康科学センター)、小林亨、上田講紀、岡田武夫、淡田修久、佐藤眞一、嶋本喬 目的:マルチスライスCT(MDCT)により評価される冠動脈石灰化の、冠動脈硬化の非浸襲的評価法としての妥当性を検討するため、MDCTにより算出される冠動脈石灰化スコアと冠動脈造影所見との対比を行った。 方法:冠動脈造影検査の目的で入院した108症例(男94例、女14例、平均年齢65.7歳)に対し、非造影CT検査と冠動脈造影検査を施行した。冠動脈石灰化の評価は、血管介入を実施している血管、および心臓のmotion artifactにより石灰化スコアの算出に影響の生じた血管を除外した計259血管について検討した。結果:75%以上の高度狭窄に対する、石灰化有り(スコア0.1以上)の感度は89%、特異度は43%であった。石灰化スコアが1000以上の4部位の全てに有意狭窄を認めた。高度狭窄に対する石灰化スコアの受信者動作特性曲線の曲線下部面積は0.80となり、石灰化スコアの有用性が示唆された。 結語:MDCTによる冠動脈石灰化スコアと冠動脈の高度狭窄との関連が示された。本検査法は、冠動脈硬化の評価法として有用であると考えられた。 キーワード:石灰化、冠動脈、動脈硬化、CT検査、患者調査 (P187~193) 6)Rapid Increase in Estimated Number of Persons with Atrial Fibrillation in Japan: An analysis from National Surveys on Cardiovascular Diseases in 1980, 1990 and 2000 大澤正樹(岩手医科大学医学部衛生学公衆衛生学講座)、岡山明、坂田清美、加藤香廉、板井一好、小野田敏行、上島弘嗣 背景: 欧米では心房細動患者の有病率が明らかにされ、社会の高齢化とともに心房細動の重要性が強調されるようになった。一方日本では心房細動の有病率と近年の動向は十分に検討されていない。 目的:日本人一般住民を対象として、過去20年間の心房細動の有病率を明らかにし、過去20年間の心房細動患者数の推移を検討するとともに今後の心房細動患者数を予測する。 対象と方法:対象は、全国300地区の30歳以上の者を対象として行われた、過去3回の循環器疾患基礎調査(1980年、1990年、2000年)参加者で、基礎調査で心電図記録が行われた23,713人。心房細動の所見が明らかであった者を心房細動有所見者として、10歳階級ごとに有病率を男女別に明らかにし、1980年、1990年、2000年の各調査で年齢階級別に心房細動有病率を男女別にχ二乗検定で比較した。人口動態統計を用いて過去20年間の日本人成人心房細動患者数を推計し、人口問題研究所の提供する2010年から2030年までの人口推計(中位推計)を参考として、将来の心房細動患者数を推計した。 結果: 過去20年間の性・年齢階級別心房細動有病率に差はみられなかった。3回の調査全体の性年齢階級別心房細動有病率を人口動態統計ならびに人口推計に当てはめて心房細動患者数を推計すると、1980年39.1万人、1990年53.4万人、2000年72.9万人、2010年99.5万人、2020年105.5万人、2030年108.1万人であった。 結語: 日本人一般住民を対象とした過去20年間の調査では、性年齢階級別の心房細動の有病率には変化は見られなかった。しかし、人口の高齢化により20年間で心房細動患者数はおよそ2倍となり、今後更に人口の高齢化が進むことで、心房細動患者が急激に増加することが予測された。 キーワード:循環器基礎調査、心房細動、日本人、一般住民、人口推計 (P194~196) |