理事長挨拶

理事長挨拶

理事長就任にあたって

理事長挨拶

第10代日本疫学会理事長
大阪大学大学院医学系研究科 社会医学講座 環境医学 教授
祖父江 友孝


本年2月の総会から、磯博康前理事長を引き継いで、日本疫学会の理事長を拝命しました。疫学は、大学卒業以来、自分自身の本命の学問領域と考えてきましたので、大変に名誉なことであるとともに、極めて重要な職務であると認識しています。

日本疫学会は、1991年に発足した比較的新しい学会ですが、発足当時の会員数243人に比べて、2018年3月1日現在の会員数が2,180人にまで成長し、社会的にも重要な責務を担う立場になってきました。また、会員の職種も、医師を中心とする集団から、保健師、栄養士、薬剤師、看護師など多様な職種から構成される集団となってきました。

疫学は、人1人を単位とするデータを集団として扱う学問で、集団科学(population science)とも呼ばれます。日本疫学会は、我が国において質の高い疫学研究を実施する専門家の集団であり、質の高い疫学研究を実施するための基盤整備・人材育成等を推進することに加えて、研究成果に基づいた一般住民に対する疫学リテラシー向上・マスメディア対応・行政への政策提言・他学会との連携など研究成果の利用面についても任務を広げつつあります。
近年の疫学研究は、ゲノム情報を中心とした個別化の方向性とビッグデータを用いた社会的要因解明の方向性の2極化の傾向があるといわれます。しかし、根幹となる集団科学としての学問体系は共通の部分があるはずであり、その根幹の部分を担う学会としての存在価値を高めていきたいと思います。

これまでの日本疫学会は、歴代の理事長の指導の下、順調に発展を遂げてきました。殊に、磯前理事長の強力なリーダーシップで、在任期間の5年間に、会員数の増加、事務局の固定化などが進み、また、2017年8月には、中村好一理事が会長となり第21回国際疫学会総会を埼玉にて1,131人の参加者を得て、盛大に開催することができました。この流れを止めることなく、学会をさらに発展させるべく、任務に当たっていきたいと思います。会員の皆様のご支援をよろしくお願いします。

                                        平成30(2018)年3月

歴代理事長一覧

在任期間 氏名(敬称略)  
2015年12月~2018年1月 磯 博康 ご挨拶
2013年1月~2015年11月 磯 博康 ご挨拶
ご挨拶(ニュースレターNo.41)
2010年1月~2013年1月 秋葉 澄伯 ご挨拶(ニュースレターNo.35)
2007年1月~2010年1月 児玉 和紀 ご挨拶(ニュースレターNo.29)
2004年1月~2007年1月 吉村 健清 ご挨拶(ニュースレターNo.23)
2001年1月~2004年1月 能勢 隆之  
1998年1月~2001年1月 田中 平三  
1995年1月~1998年1月 柳川 洋  
1992年1月~1995年1月 廣畑 富雄