平成24年1月に第22回日本疫学会学術総会を担当することとなりましたので、一言ご挨拶を申し上げます。
メインテーマを「社会のニーズに応える疫学」としました。疫学は応用範囲が非常に広い研究方法であり、研究目的も多彩です。一人ひとりの疫学者は、あるいはHunterの鋭い眼力を持って世界初の新たな発見に挑み、あるいはFarmerの強靱な忍耐と広大な構想力を持って未開の荒れ地に公衆衛生の豊かな農園を築きます。そのような個性、創造力、そして協調する力が日本疫学会という場で強力な束になり、社会のニーズに応えて行くことを「社会のニーズに応える疫学」というメインテーマに託しました。
1日目のパネルディスカッションでは、国民が疫学をどのように見て何を期待しているのかというテーマで国民目線の議論をしていただき、2日目のシンポジウムでは、それに応える形で、疫学は社会に如何に貢献できるかというテーマで日本の疫学をリードしてきた先生方に議論をしてもらう企画をしました。また、発展の著しい東アジアの国々との連帯の推進をテーマにしたシンポジウムを2日目に企画しました。
会員のみなさまが学術総会の場で真剣勝負の議論を戦わせ、何か「熱いもの」を持ち帰ってくだされば望外の幸せです。ひとりでも多くの方のご参加を心からお待ち申し上げます。
第22回日本疫学会学術総会会長
東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学第二講座
教授 山口 直人